台湾紀行④「10元」
「滞在4日目」
昨日の台湾総督府へ訪問した際、何度も名前が出てきた蒋介石が奉られている「中正紀念堂」へ行ってみた。
ちなみに、「中正」という名は建国の父とされる孫文(彼は「中山」とも呼ばれる)が蒋介石につけた名前らしい。
到着早々、正面にそびえ立つ高さ70メートルもの巨大な白門に驚かされた。
門を潜ると広大なスペース(なんと全長480M!)になっていて、その遥か前方には彼のメモリアルホールがある。
この時何故か映画の「ベン・ハー」が頭をよぎり、気付いたら道のド真ん中を歩いていた。
歩く事数分、ようやくホールに辿り着く。
すると今度は彼の生存年数と同じ89段の階段がお出迎え。
なんだか物凄く疲れつつも、ようやく彼とご対面。
そこには左・右衛兵に守られ、ニヤケ顔で座っている全長6.3メートルもの巨大な石像が!
昨日、台湾総督府のボランティアガイド林玉鳳さんのお話を伺った事もあり、蒋介石の顔を不快に感じてしまう。
何故時の権力者は自分の銅像を立て、力を誇示しようとしたがるのだろう?
またこの広大な敷地はまるで天安門を意識したかのようだが、現在この銅像を見て市民達は何を思うのだろう?
ただ1時間毎に行われる衛兵交替は見物だった。
3人の兵が動きを一糸乱さず行進し、10分ほどライフルを用いたパフォーマンスをする。
この衛兵達、かなりのエリートらしく180cm以上で細身、容姿端麗という条件付らしい。
まるで、モデルのオーディションのようだ。
そんな蒋介石の像は国内に幾つかあるらしいが、地域によっては取り外され始めているという。
次回来台するまで、果たして微笑んでいられるのだろうか?
そうこうしてる間に、昼時になったので紀念堂近くの大衆食堂「チンフォンルーロウファン」へ。
ここでは、「ルーロウファン」という挽肉と椎茸を醤油で煮込んだものをご飯にかけたものと、牛のスープを食す。
70元(約280円)と激安、激ウマだった!
腹も満たされたところで、地下鉄とバスを乗り継ぎ「国立故宮博物院」へ。
ここはルーブル(仏)、メトロポリタン(米)、エルミタージュ(露)と並ぶ「世界四大博物館」に名を連ねている。
中国各王朝の権力や財力を象徴するような、青銅器、書画、陶磁器、玉器、彫刻などが約60万点収蔵されている。
青銅器を見れば学生時代の「山川」の教科書を思い出し、書画を見れば高校時代の選択科目で仕方なくやっていた書道を思い出し、陶磁器に至ってはポケ〜と眺め、「あ〜俺ってぶっちゃけ故宮アウェイかも…」とあきらめかけたその時、玉器と彫刻コーナーが救ってくれたのだ!
玉器に至っては故宮一有名な「翠玉白菜」がお目見え。
これは字の如く「ミドリ色のハクサイ」である。
貴重なヒスイを贅沢に使い、葉の部分にキリギリスとイナゴがくっついている。
えっ?何がいいかって?
だって面白いではないか、超贅沢な石に白菜、しかもキリギリスとイナゴとは!
それともう一つ、「肉形石」。
これも字の如く「肉の形の石」(…って「の」入れただけか)。
奇跡的に天然石が「豚の角煮」に似てるっていうもの。
う〜ん、面白い!
中華5000年の歴史が「白菜」と「角煮」なんて!
それと彫刻としては…あっ、漢字変換出来ない…、え〜オリーブの実を用いて造られた「屋形船」。
メチャメチャ小さい(1.67cm×3.4cm)オリーブを一体どうやって彫刻したのか、船内には表情まで違う8人が乗り、なんと船の扉は開閉可能で柱に模様まで彫り込まれている。
虫眼鏡で見れるのだが、あまりの細かさに深い溜息が出た。
なんだかんだ故宮を堪能し、帰りのバスに乗り込むも小銭が足りなく大きいお金で払おうとしたら、
「あっ、これお釣り出ないから10元(本当は15元なのに)でいいですよ!」
運転手のおじさんはニコっと笑っておまけしてくれた。
ホント、台湾人は温かいなぁ。
今日も人の優しさに触れた一日であった。


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